株式会社バーテック
代表取締役社長 末松仁彦
Kimihiko Suematsu

大阪・関西万博に
寄せる想い

Thoughts on the Osaka-Kansai Expo

この度、バーテックは「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博に出展します。人類が直面する地球規模の課題に対し、多様ないのちが輝く未来をどうデザインしていくか。この問いは、私が三代目としてバーテックの事業を継承して以来、15年以上にわたり問い続けてきたことです。

「何のために事業を行うのか?」「私の使命とは何か?」
この問いに向き合う中で、私たちが長年培ってきたブラシの技術に、人と虫が共生できる未来への可能性を見出しました。
これまで害虫対策では薬剤による駆除が主流でした。しかし、人にも環境にも優しい「総合的有害生物管理(IPM)」が求められる現代において、私たちは新たな視点を持つべきだと考えます。すべての虫が人にとって有害なわけではありません。一見「不快」と感じる虫にも、生態系の中で意味があり、命があります。

バーテックのブラシは、ドアやシャッターの隙間を効果的に塞ぎ、人間と虫の居住空間を分けることができます。これは、不必要に虫を殺すことなく、人と虫がそれぞれの空間で共存できる社会の実現につながります。
今回の万博出展は、人間、虫、植物、あらゆる命のあり方について、皆さんと共に価値観を見つめ直すための大切な機会です。技術と心が進化すれば、多くのいのちが共存する豊かな世界は必ず実現できると信じています。
万博会場のブースだけでは伝えきれないこの強い想いを、私たちは特設サイトに込めました。このサイトが、私たちの考えに共感し、共に「すべてのいのちが輝く世界」を創造していく人々との出会いの場となることを願っています。

虫の行動を知り尽くした、防虫対策

Insect control measures by insect behavior experts

私たちは、環境にやさしい防虫対策「IPM(総合的病害虫管理)」に取り組んでいます。
IPMでは、虫をただ駆除するのではなく、その習性や生態系での役割を理解することが大切です。
世界的に害虫とされる蟻も、実は自然の循環に欠かせない存在です。
今回は、蟻の専門家に、害虫と呼ばれる虫たちが生態系で果たす役割についてお話を伺いました。

  • アントルーム代表 アリ探求家 島田拓(しまだたく)
  • 島田拓写真

物心ついた幼いころから、最も興味を持ったのが「虫」でした。
生まれ育った東京都には、身近に自然環境と呼べるような場所はありませんでしたが、それでも家の周りの花壇、プランターや植木鉢の下などを見ると、アリ、ゴキブリ、ハサミムシ、ヤスデ、ムカデ、ナメクジ、ミミズなどを見つけることができ、これらを観察するのが幼いころの楽しみでもありました。
詳しく観察をしたり、調べたりすると、これら小さな生き物たちは、生態系の中でもとても重要な役割があることを知ったのです。
他の生き物を捕食して増えすぎないようにしたり、死んだ生き物や落ち葉を分解したり、穴を掘ることで土の中へ酸素を送ったり、また他の生き物たちの食料にもなっていたりします。
例えば、室内に入ってきて人を困らせてしまうこともあるアリ。
アリは世界に一万二千種以上が知られていて、日本だけでも約三百種も生息しています。
小さくても数の多いアリは、生態系の中でもとても重要な存在です。
様々な虫を食べていたり、最近の研究では、植物の受粉にも大きく役立っていることが分かっています。
もしアリがいなくなってしまったら、今まで捕食されていた虫が爆発的に増えたり、野菜や果物ができにくくなるなど様々な問題が出てくるはずです。これからの時代、私たちが守るべき自然環境は、これら数多くの小さな生き物たちが作っているとも言えます。
貴重な絶滅危惧種を守ることももちろん大切ですが、これらの貴重な生きものたちが暮らせる環境にするためにも、当たり前のようにたくさんいる、小さな虫たちは絶対に欠かせない重要な存在なのです。
つまり、自然環境を守ると言うのは、これらの身近に暮らす小さな生き物たちを守ることとも言えるのではないでしょうか?
もし、こういった生態系を支えている生きものが一種でも欠けてしまうと、誰も想像もできなかったような大きな悪影響が出てしまうこともあるのです。しかし、残念なことに、これらの生き物たちは一般的に嫌われ者です。そして困ったことに、小さくて身近にたくさんいると言うことは、家の中に入ってくることも多々あるのです。
たとえ、小さな虫たちが自然界で大切な存在だと知っている方でも、室内に侵入してくれば殺虫剤などを使って駆除するでしょう。
中にはムカデのように毒がある危険な虫もいるので仕方がないかもしれません・・・。
そのように長年思い続けていたのですが、バーテックさんのブラシによって虫の侵入を防ぐという製品があることを知りました。
これを知ったとき、人と虫たちが住み分けして共存するために、とても素晴らしい製品だと思いました。殺虫剤で駆除するのではなく、侵入を防いで共存する。一人でも多くの方が、身近に暮らす小さな虫たちを大切に思ってくれたら嬉しく思います。
そんな方が増えることこそが、未来の地球にとって必ずプラスになると信じています。

 

出展までの歩み

The journey to exhibiting

  • 「ブラシをきっかけとして、
    いのちへの価値観を変えたい」
    という想いから

    大阪・関西万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」という理念は、私たちがブラシを通じて実現したい「人間・自然・生物」が共生する世界と似ているのではないか。そのコンセプトを表現したいと思い、プロジェクトが本格始動しました。

  • “未来の目線”が、展示のヒントに

    小学生向けのキャリア塾「ミラコラ」に、代表の末松が登壇。「虫がいなくなるとどうなるの?」「どうやってブラシで共生する社会を表現する?」と子供たちと一緒に考える時間を持ちました。子供たちから飛び出した自由な発想や、アイディアが展示コンテンツのヒントになりました。

  • バーテックファミリーで
    万博開幕を盛り上げよう

    大阪万博開幕を祝し、有志社員と家族約30名が本社に集結。ブルーインパルスは残念ながら不発も、万博出展の背景を共有し、子どもたちと自社キャラクターを多数決で決定し一体感を深めました。

  • “伝える工夫”をたっぷり
    詰め込んで、いざ出展へ

    子どもたちのアイデアも活かし、技術と遊び心が共存するブースが完成。バーテックならではの視点で、「防虫の面白さ」と「技術の深さ」を伝える展示に仕上がりました。

防虫ブラシへのこだわり

技術、安全、環境。
すべてに妥協しない理由があります。

Commitment to insect repellent brushes

    • お客様の声にこだわる

      約21,000件の導入実績を、ものづくりに活かす

      ブラシによってシャッターやドアの隙間を塞ぐことで、食品工場にとって大きな悩みの種となってきた虫の侵入を防ぐ。この画期的な防虫ブラシは、バーテックの社員がさまざまなお客さまの食品工場に通い、そこで得られた発見をヒントに生まれました。
      以来バーテックは、防虫ブラシのリーディングカンパニーとして国内トップシェアを確立。大手シャッターメーカーや専門家とのネットワークを築き上げ、全国各地のお客さまに防虫対策用ブラシをお届けしてきました。導入実績はおよそ21,000件にのぼり、今もお客さまからのさまざまな声をもとに製品改良を重ねることで、常に品質を磨き、防虫ブラシの新たな価値を追求し続けています。

    • 防虫性にこだわる

      虫の侵入が90%減少した工場も。安心の隙間対策

      シャッターやドアに隙間があると、そこから光や臭い、空気が漏れ、虫を引き寄せる誘引源となってしまいます。この隙間を、ゴムやスポンジを用いて塞ごうとするケースもよく見られますが、劣化が早く、すぐに傷んでしまうという問題がありました。
      バーテックの防虫ブラシは、シャッターにあわせてフレキシブルに動き、開閉時にブラシへの負荷がかかりにくいため、長期にわたって防虫性を発揮し続けます。さらに、ゴムやスポンジに比べて耐久性が高いこともブラシの特長です。バーテックでは、こうしたブラシのメリットを活かし、お客さまの工場にあわせた最適な隙間対策をご提案。導入いただいた工場では、虫の侵入が前年比で90%減少するなど、優れた効果が現れています。

    • 課題解決にこだわる

      IPMにもとづいた、環境にやさしい防虫対策

      私たちは害虫が人間に危害を加えない限り、薬剤を使用する必要がないと捉えています。害虫も生態系の一部であり、過度な駆除は生態系のバランスに悪影響を与える可能性があります。したがって、人間と虫がそれぞれ異なる空間で共存することで、調和が生まれ、生態系が健全な状態を保つことができます。
      バーテックでは環境に優しく、持続可能な解決策を提供することで、人と地球環境の両方に良い影響をもたらしています。私たちはこれからも、防虫対策用ブラシと環境への配慮を組み合わせ、いのち輝く未来社会の中でのペストコントロールを実現します。